ザ・キャピトルホテル 東急

ザ・キャピトルホテル 東急

ザ・キャピトルホテル東急は、東京都千代田区に位置し、永田町二丁目にある複合ビル「東急キャピトルタワー」に入る高級ホテルです。このホテルは東京ヒルトンホテルを前身とし、永田町二丁目計画によって新たに建築されました。周囲には日枝神社や山王パークタワーがあり、地域の文化と調和した建物設計が求められました。投資額は約500億円に達し、さまざまな用途に対応した現代的な施設となっています。

ビルの立地は国会議事堂や首相官邸の近くであり、そのため周辺環境への配慮が重視されました。建物の構造や外観、素材選びは慎重に行われ、公式な場にふさわしいデザインが求められました。特に、建築家の隈研吾による日本の伝統美を反映したデザインが特徴です。低層部には豊かな緑を持つ植栽が施され、環境への配慮がなされています。これにより、SEGES（社会・環境貢献緑地評価システム）の都市開発版において、認定第1号を取得しました。

施設構成

ザ・キャピトルホテル東急は、2010年にオープンした後、東急ホテルズのフラッグシップ（旗艦店）と位置づけられ、独特のインテリアデザインを持っています。ホテルの名称の由来は、英語で「キャピタル（首都）」ではなく「キャピトル（議事堂）」から来ており、その重要な立地を反映しています。

デザインコンセプトは「日本の和み」で、旧ホテルの伝統は尊重されつつ新たな要素が加えられています。特に中庭では、オリガミ・ティーラウンジや日本料理「水連」など、旧ホテルの記憶をつなぐように作庭されています。また、篠田桃紅や勅使河原蒼風といった日本の著名なアーティストの作品がインテリアに配置され、伝統と現代が融合した空間を提供しています。

施設は1階から5階までの低層部に宴会場やレストラン、スイートルームなどが入っており、18階以上には一般客室とスパ・フィットネスが広がります。スパにはプールもあり、ホテル泊のお客様だけでなく、オフィスや住宅の利用者も使用できるようになっています。部屋数は251室で、全ての客室にはゆとりのあるバスルームが完備されています。

利用者の特徴

国会に近い立地から、国会関係者の利用が多く見られます。公的なイベントが多い他の高級ホテルとは異なり、こちらのホテルでは私的な利用が多く、時には内閣総理大臣が秘書官と共にレストランで打ち合わせを行うシーンも見受けられます。

受賞歴と評価

『ミシュランガイド東京・横浜・湘南2012』では快適なホテルとして「赤い家マーク5つ」を獲得し、2021年には「フォーブス・トラベルガイド」で最高評価の5つ星を獲得しました。また、日本で初めて「プリファード・ホテルズ＆リゾーツ」のレジェンドコレクションに認定されています。

オフィスフロアと賃貸住宅

キャピトルタワーには、地下1階のエントランスホールを通してアクセスできるオフィスフロアも併設されています。全10層、専有面積は約2万㎡という規模で、企業の入居も多数あります。

また、16階と17階にはザ・キャピトルレジデンス東急として14戸の超高級賃貸住宅も設けられており、官邸への防犯上、バルコニーは設置されていませんが、外気導入が可能な工夫がされています。

歴史的背景

このホテルの歴史は1963年の東京ヒルトンホテルの開業に遡ります。1984年にはキャピトル東急ホテルに改称され、その後2006年に閉館後、2008年から新たな建設が開始されました。2010年に新たにオープンした際には、ザ・キャピトルホテル東急と名付けられ、今に至ります。アクセスも非常に便利で、東京メトロ南北線溜池山王駅および千代田線国会議事堂前駅から直結しています。

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